おりものがいつもとちがう:におい・色・かたまり。細菌性腟症・カンジダ・トリコモナス・クラミジアなど、考えられる原因と受診の目安
おりものが魚のようににおう、黄緑色、白いカッテージチーズのよう——米国CDCによると、多くの女性が一生のうちに、おりもの・かゆみ・ヒリヒリ・においをともなう腟の感染症を経験します。いちばん多い原因は細菌性腟症で、カンジダ、トリコモナス、クラミジアや淋菌による子宮頸管炎でもおりものが変わります。症状だけでは見分けられないので、市販薬の前に一度検査を。考えられる原因と受診の目安をまとめました。

メル美最近、おりものがいつもとちがう気がする…。においも気になるし、量も多いの。

プレ男性病のこともあるのかな。男のオレも、知っておいたほうがいいよね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、おりものの変化の話です。はずかしがらなくて大丈夫。とてもよくある相談です。
よくあることです
- 「ふつうのおりもの」がどんなものかは、おりものの基本の記事にまとめています
- 米国CDC(疾病対策センター)によると、多くの女性が一生のうちに、おりもの、かゆみ、ヒリヒリ感、においをともなう腟の感染症を経験します
- 原因として多いのは、細菌性腟症、トリコモナス、カンジダ。子宮頸管炎(クラミジア・淋菌など)でもおりものが変わります
考えられる原因
| 原因 | おりものの特徴の例 | ほかの特徴 | 性感染症? |
|---|---|---|---|
| 細菌性腟症 | さらさらした均一なおりもの、魚のようなにおい | 世界でいちばん多いおりものの異常の原因。症状がないことも多い | 性感染症ではないが、性行為と関係する |
| カンジダ | 白くポロポロした、カッテージチーズのようなおりもの | 強いかゆみ、ヒリヒリ、赤み・腫れ | 多くは性感染症ではない |
| トリコモナス | 量が多い、においが強い、黄緑色のことも | 70〜85%は症状がほとんどない | 性感染症 |
| 子宮頸管炎(クラミジア・淋菌など) | おりものが増える、色が変わる | セックスのあとの出血。症状がないことが多い | 性感染症 |
- ただし、CDCは、症状や話を聞くだけでは正確に診断できないとしています。見た目やにおいだけで自己判断しないでください

メル美においや色だけじゃ、原因はわからないんだね。
市販薬の前に、一度検査を
- 腟カンジダには市販薬もありますが、CDCは、症状のある女性が医療機関で調べる前に市販薬を使うことが多く、話を聞くだけの診断では不適切な薬が使われることがあると指摘しています
- 初めての症状、市販薬で治らない、くり返すときは、産婦人科でおりものの検査を受けましょう
- 検査では、おりものを顕微鏡で見る、pHを測る、クラミジア・淋菌・トリコモナスの検査などを行います
日本の腟カンジダの市販薬は「再発」のときだけ
日本OTC医薬品協会のQ&Aでは、次のように説明されています。
- 市販薬は腟カンジダの再発治療薬です。はじめて腟カンジダが疑われるときは、自分では判断できないので、必ず婦人科・産婦人科で診断を受けてください。以前と同じ症状が再発したときに、自分の判断で使えます
- 糖尿病の人、60歳以上の人は使えません(医師の治療を受ける)。授乳中の人は、医師か薬剤師に相談を
- 生理中は、薬が流れ出てしまうので使いません
- 使いはじめて3日たってもよくならない、6日後に症状が消えないときは、ほかの病気がかくれているかもしれないので、医師の診療を受けましょう
- くわしくはカンジダの記事もどうぞ
こんなときは早めに受診
- 下腹部の痛みや熱がある(骨盤内炎症性疾患のことも。骨盤内炎症性疾患)
- セックスのあとの出血、生理以外の出血がある(不正出血)
- 妊娠中
- パートナーに尿道炎の症状(排尿時の痛み、尿道から膿)がある(尿道炎)
パートナーのこと
- トリコモナスやクラミジア・淋菌なら、パートナーも一緒に検査・治療が必要です。治療が終わるまでセックスはお休みを
- 細菌性腟症やカンジダは、ふつうはパートナーの治療は必要ないとされていますが、最新の研究もあります(細菌性腟症)

プレ男性感染症だったら、オレも一緒に検査を受けるよ。

おりものの変化は、見た目やにおいだけでは原因がわかりません。くり返すときや市販薬で治らないときは、産婦人科で検査を受けましょう。
まとめ
- おりもの・かゆみ・においをともなう腟の感染症は、多くの女性が経験する
- 原因は細菌性腟症(いちばん多い)、カンジダ、トリコモナス、子宮頸管炎(クラミジア・淋菌)など
- 見た目やにおいだけでは見分けられない。市販薬の前に一度検査を
- 腹痛・熱・出血・妊娠中は早めに受診。性感染症ならパートナーも一緒に
参考文献
- Centers for Disease Control and Prevention. Diseases Characterized by Vulvovaginal Itching, Burning, Irritation, Odor or Discharge. Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021. https://www.cdc.gov/std/treatment-guidelines/vaginal-discharge.htm (閲覧日:2026年9月29日)
- Centers for Disease Control and Prevention. Bacterial Vaginosis. STI Treatment Guidelines, 2021. https://www.cdc.gov/std/treatment-guidelines/bv.htm (閲覧日:2026年9月29日)
- Centers for Disease Control and Prevention. Trichomoniasis. STI Treatment Guidelines, 2021. https://www.cdc.gov/std/treatment-guidelines/trichomoniasis.htm (閲覧日:2026年9月29日)
- Centers for Disease Control and Prevention. Vulvovaginal Candidiasis. STI Treatment Guidelines, 2021. https://www.cdc.gov/std/treatment-guidelines/candidiasis.htm (閲覧日:2026年9月29日)
- 日本OTC医薬品協会. おくすりQ&A:膣カンジダ再発治療薬. https://www.jsmi.jp/selfmedication/qa/kanjida.html (閲覧日:2026年9月30日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。