
メル美生理の前になると、昼間どうしようもなく眠くなるの。仕事中もボーッとしちゃって、自分がだらしないのかなって…。

プレ男それって、ホルモンのせいもあるのかな?
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、女性ホルモンと睡眠の話です。厚生労働省の「e-ヘルスネット」の記事(三島和夫先生)をもとにまとめました。だらしないからではなく、体の変化によるもののことも多いのです。
生理前は、やたらと眠い
- 排卵のあとの黄体期には、プロゲステロンという女性ホルモンが増え、その影響で眠気が強くなります
- 黄体期は基礎体温が高くなり、体の深部の温度の1日のリズムのメリハリがなくなるため、生理前(黄体期の後半)に眠りが浅くなったり、日中の眠気が強くなったりすると考えられています
- 経血もれが気になって眠りが浅い、寝返りを打てないといった心配も、睡眠不足と眠気に拍車をかけます
対処
- 数か月、生理と睡眠・眠気の関係を記録する(カレンダーでもOK)と、眠りが変わりやすい時期がわかります
- 生理前は、日中に光を浴びてメリハリをつけ、好きなことで気分転換を
- 体調に合わせて、仕事や休みの予定を考える
- 生理前後の体調不良が続くときは、月経前症候群(PMS)の可能性もあるので産婦人科へ(PMS)

メル美ちゃんと理由があったんだ。カレンダーに記録してみよう。
妊娠中も、眠い・眠れない
- 妊娠中は、プロゲステロンの分泌が増えるうえ、深い眠りが減り、夜中に目覚めることが増えるため、日中の眠気や疲れが強くなります
- 妊娠初期:夜中のトイレ、吐き気、腰痛、胸の痛みなどで眠りが浅く
- 妊娠中期:比較的安定しますが、後半になるといびき、胸やけなどで再び眠りが悪く
- 妊娠後期:頻尿、こむらがえり、背中や関節の痛み、出産や育児の不安などで、不眠や気分の落ちこみが強まることも。睡眠時無呼吸やむずむず脚症候群も起こりやすくなります
対処
- 体調に合わせて無理をしない。眠気が強いときは、昼食後に20〜30分ほどの昼寝を
- 医師に相談しながら、軽いウォーキング、マタニティスイミング、ヨガなどを1日20〜60分、週1〜3回ほど行うと、眠りの質が改善したという報告があります
- 妊娠中のむずむず脚症候群のおもな原因は鉄不足。鉄分の多い食事(レバー、赤身の魚や肉)やマッサージから。強いときは産婦人科に相談を
- 中等度以上の睡眠時無呼吸が見つかったら、妊娠高血圧や赤ちゃんの発育が心配されるため、治療がすすめられています(妊娠高血圧症候群)
産後は、まとまって眠れない
- 産後は、一生のうちで最も急激なホルモンの変化に加え、育児中心の生活という大きな変化があります
- 赤ちゃんは数時間おきに寝たり起きたり。授乳や夜泣きで、睡眠が細切れになります
- 眠くてつらいときは、子どもと一緒に短い昼寝を。ひとりでがんばらず、周りのサポートを
- 出産後の女性の10〜20%が産後うつを経験すると報告されています。不眠が強いと産後うつのリスクが高くなります。不眠や気分の落ちこみが長引くときは、早めに精神科や産婦人科へ(産後うつ)

プレ男産後は、パートナーが夜の担当を交代するだけでも、ずいぶん違いそうだね。
更年期は、眠りが浅くなる
- 閉経(日本人の平均は50歳ごろ)の前後5年、約10年間が更年期です
- 不眠症や睡眠時無呼吸になりやすくなります。年齢とともに眠りが浅く短くなるうえ、のぼせ・発汗・動悸(ホットフラッシュ)がきっかけで、深く眠れないことが多いようです
- これをきっかけに眠りへのこだわりや不眠への恐怖が生まれ、慢性化することも
- ホルモン補充療法など、更年期症状の治療が不眠の軽減に役立つことがあります(女性の更年期)

女性ホルモンは眠気や睡眠に影響し、生理前、妊娠中、産後、更年期にさまざまな眠りの悩みが起こります。不眠や気分の落ちこみが長引くときは、産婦人科などに相談しましょう。
まとめ
- 生理前:プロゲステロンの影響で日中の眠気。記録して、光とメリハリ
- 妊娠中:頻尿・こむらがえりなどで眠りが浅い。短い昼寝、医師と相談して軽い運動
- 産後:睡眠が細切れ。周りのサポートを。産後うつ(10〜20%)に注意
- 更年期:ホットフラッシュで眠りが浅く。更年期症状の治療が役立つことも
- 長引くときは産婦人科・精神科へ
参考文献
- 三島和夫. 女性の睡眠障害. 厚生労働省 e-ヘルスネット(2025年6月16日更新). https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-02-005.html (閲覧日:2026年9月29日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。