
メル美膀胱炎で抗生物質を出してもらったんだけど、ピルを飲んでるの。「抗生物質でピルが効かなくなる」って聞いたことがあって心配……。

プレ男どの薬なら大丈夫で、どの薬だと気をつけたほうがいいんだろう。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、抗菌薬(抗生物質)とピルの飲み合わせの話です。米国CDCの避妊法の基準(U.S. Medical Eligibility Criteria for Contraceptive Use, 2024)と英国NHSの資料をもとにまとめました。ピルの基本は、低用量ピルの記事を見てください。
ふつうの抗菌薬は、ほとんど影響しない
米国CDCの基準では、エストロゲンとプロゲスチンを含むピル(混合ピル)などとの飲み合わせについて、次のように分類しています。
- 広域抗菌薬(一般的な抗菌薬の多く):カテゴリー1(使っても問題ない)。ほとんどの広域抗菌薬は、ピル・パッチ・リングの避妊効果に影響しないとされています
- 抗真菌薬(カンジダなどの薬):カテゴリー1。意味のある相互作用はないとされています(カンジダ)
- 抗寄生虫薬:カテゴリー1。意味のある相互作用はないとされています

メル美膀胱炎のふつうの抗生物質なら、ピルの効果はほとんど変わらないんだね。
(更新)日本の経口避妊薬(レボノルゲストレル・エチニルエストラジオール錠)の添付文書(2026年8月改訂)では、「併用注意」として、リファンピシンなどのほかに、テトラサイクリン系とペニシリン系の抗生物質があげられ、「本剤の効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがある」(腸内細菌叢を変化させ、本剤の腸肝循環による再吸収を抑えると考えられる)と書かれています。この記事の出典(CDC・NHS)の「リファンピシンなど以外の抗菌薬では効果はふつう落ちない」という説明とは、書き方がちがいます。ほかのピルの添付文書や、個々の抗菌薬の添付文書は確認していません。
注意が必要な薬
リファンピシン・リファブチン(結核などの薬)
- CDCの基準ではカテゴリー3(ふつうはすすめられない)です。害はありませんが、ピルの避妊効果を下げる可能性が高いとされています
- NHSも、リファンピシンやリファブチンはピルの効果を下げることがあり、飲んでいるあいだはコンドームなどのほかの避妊法を併用する必要がある場合があるとしています
一部のてんかんの薬
- CDCの基準ではカテゴリー3です。一部の抗てんかん薬は、ピルの避妊効果を下げる可能性があるとされています(てんかんがある人の妊娠)
セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)
- CDCの基準ではカテゴリー2(使ってよいが注意が必要)です。データは限られていますが、ホルモンの避妊薬の効果を下げるおそれがあるとされています。サプリメントなどに含まれていることがあります

ふつうの抗菌薬なら、ピルの避妊効果はほとんど変わりません。でも、結核の薬や一部のてんかんの薬、セイヨウオトギリソウには注意。薬をもらうときは、ピルを飲んでいると必ず伝えて。
吐いたり下痢をしたりしたとき
- 抗菌薬そのものではなく、副作用や病気で吐いたり下痢をしたりすると、ピルが吸収されないことがあります。そのときの対応は、低用量ピルの記事の「吐いたり下痢をしたりしたとき」を見てください
薬をもらうときのポイント
- 医師や薬剤師に、ピルを飲んでいることを必ず伝える
- サプリメントやハーブも伝える
- 飲み合わせが心配なときは、その期間はコンドームも使うと安心です(コンドーム)
- 避妊に失敗したかもしれないときは、緊急避妊を早めに
まとめ
- ふつうの抗菌薬・抗真菌薬・抗寄生虫薬は、ピルの避妊効果にほとんど影響しない(CDC)
- リファンピシン・リファブチン、一部のてんかんの薬は、ピルの効果を下げる可能性が高い
- セイヨウオトギリソウにも注意
- 薬をもらうときは、ピルを飲んでいると伝える。心配ならコンドームも
参考文献
- Centers for Disease Control and Prevention. U.S. Medical Eligibility Criteria for Contraceptive Use, 2024: Combined Hormonal Contraceptives(Drug Interactions). https://www.cdc.gov/contraception/hcp/usmec/combined-hormonal-contraceptives.html (閲覧日:2026年10月10日)
- NHS. Antibiotics: Interactions(Page last reviewed: 11 November 2022). https://www.nhs.uk/medicines/antibiotics/interactions/ (閲覧日:2026年10月10日)
- レボノルゲストレル・エチニルエストラジオール錠 添付文書(2026年8月改訂). KEGG MEDICUS. https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00072141 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。