病気の解説2026年10月10日

HIVと梅毒の両方に感染したら:免疫がかなり下がっていると、梅毒の症状が典型的でなく、進み方も早いことがある。神経・目・耳の梅毒はどの時期にも起こりうる。治療のはじめの発熱は起こりやすいが、薬はやめないで。治療後も数値が下がりきらないことがある

HIVと梅毒は、一緒に見つかることが多い性感染症です。国立健康危機管理研究機構エイズ治療・研究開発センター(ACC)の手引き(2022年)によると、HIV感染者で、とくに免疫がかなり下がっていると、梅毒の症状が典型的でなかったり、進み方が早かったりすることが報告されています。神経梅毒、目や耳の梅毒は、どの時期にも起こりえます。治療を始めた直後の発熱や発疹(ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応)はHIVの人に多いとされますが、ふつう1〜2日でよくなるので、薬をやめないことが大切です。

目次
  1. 梅毒の進み方(おさらい)
  2. HIVがあると、どうちがう?
  3. 検査:前の数値を知っておく
  4. 治療のはじめの発熱に注意
  5. 治療後の数値が下がりきらないことも
  6. まとめ

プレ男HIVで治療中の知り合いが、梅毒にもかかったって。HIVがあると、梅毒も何かちがうのかな。

メル美HIVと梅毒は、一緒に見つかることが多いって聞いたことがあるよ。

こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、HIVと梅毒の両方に感染したときの話です。国立健康危機管理研究機構エイズ治療・研究開発センター(ACC)の「抗HIV治療ガイドライン・治療の手引き」の「梅毒」(2022年9月29日更新)をもとにまとめました。梅毒そのものについては梅毒、HIVについてはHIVを見てください。

梅毒の進み方(おさらい)

ACCの手引きによると、

HIVがあると、どうちがう?

ACCの手引きによると、

HIVと梅毒は、一緒にかかっていることがよくあります。どちらかが見つかったら、もう一方の検査も受けてください。HIVの治療中の人は、定期的な梅毒の検査も大切です。

梅毒とHIVの関係については、ほかの性感染症があると、HIVにうつりやすいも見てください。

検査:前の数値を知っておく

ACCの手引きによると、

治療のはじめの発熱に注意

ACCの手引きによると、

プレ男治療を始めたら熱が出て、薬のせいだと思ってやめちゃう人もいそう。前もって知っておくと安心だね。

治療薬の供給の状況は、梅毒の注射薬が出荷停止中(2026年)を見てください。

治療後の数値が下がりきらないことも

ACCの手引きによると、

(更新)米国CDCの「性感染症治療ガイドライン2021」で確認しました。HIVのある人の第1期・第2期梅毒は、HIVのない人と同じように治療するとされています。HIVのない人にすすめられる治療より、神経梅毒を防ぐのに効果が高いと証明された治療はなく、追加の薬を使っても効果は高まらないとしています。そのうえで、治療後の経過を注意深くみることが欠かせないこと、抗HIV療法でウイルスがおさえられていれば、梅毒の治療の心配はあてはまらないかもしれないことも書かれています。日本性感染症学会のガイドライン改訂原稿(2023年)では、活動性の梅毒と判断したら、可能なかぎりHIVの検査も行うとされています。日本の診療ガイドラインでの、HIVのある人の梅毒の治療の扱いは、引き続き確認していません

まとめ


参考文献

  1. 国立健康危機管理研究機構 エイズ治療・研究開発センター(ACC). 抗HIV治療ガイドライン・治療の手引き:梅毒(Last updated: 2022-09-29). https://www.acc.jihs.go.jp/medics/treatment/handbook/part2/no20.html (閲覧日:2026年10月10日)
  2. Workowski KA, et al. Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021. MMWR Recomm Rep. 2021;70(4):1–187. https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/70/rr/rr7004a1.htm (閲覧日:2026年10月10日)
  3. 日本性感染症学会. 性感染症 診断・治療ガイドライン改訂原稿(案) 梅毒(2023年4月15日、PDF). https://jssti.jp/pdf/baidoku_guideline_230415.pdf (閲覧日:2026年10月10日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。