梅毒の第2期は「いろいろな顔」をもつ:体の発疹(バラ疹)、手のひら・足の裏の発疹、陰部やおしりの平らなイボ、のどの痛み、髪がまばらに抜ける、熱やだるさ。症状が消えても治っていない。心当たりがあれば血液検査を
梅毒は、感染して3か月ほどたつと菌が全身に広がり、第2期にさまざまな症状が出ます。国立健康危機管理研究機構のIASRの報告(2023年)によると、体の赤い発疹(バラ疹)、手のひら・足の裏の発疹、陰部やおしりにできる平らなイボ(扁平コンジローマ)、のどの痛み、髪がまばらに抜ける(梅毒性脱毛)など、症状はとても多彩で、ほかの病気とまちがわれることも少なくありません。熱やだるさ、頭痛、関節の痛みが出ることもあります。症状は自然に消えますが、梅毒が治ったわけではありません。

プレ男最近、髪がまだらに抜けるし、のどもずっと痛いんだ。体にも赤いぶつぶつが出たけど、かゆくないし……関係あるのかな。

メル美ばらばらの症状に見えるけど、梅毒のこともあるって聞いたことがあるよ。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、梅毒の第2期のいろいろな症状の話です。国立健康危機管理研究機構のIASR「梅毒の病態や症状について(皮膚病変)」(2023年12月)と、厚生労働省の「梅毒に関するQ&A」をもとにまとめました。梅毒の全体については、梅毒の記事を見てください。
梅毒の進み方(おさらい)
IASRの報告によると、
- 感染して平均3週間ほど(10〜90日)は症状がなく、そのあと菌が入ったところ(主に性器や肛門、ときに唇や指)に、かたいしこりができ、真ん中がただれます(第1期)。強い痛みは少ないことが多いとされています
- しこりやただれは2〜3週間ほどで消え、第2期の発疹が出るまで、また症状のない時期になります
- 第1期の症状が出ないまま第2期の症状が出る人や、第1期と第2期の症状が同時に出る人もいます
第2期:菌が全身に広がる
IASRの報告によると、感染して3か月ほどたつと、菌が血液にのって全身に広がり、次のような、とても多彩な症状が出ます。
皮膚の症状
- バラ疹:体などに出る、うすい赤い発疹。厚生労働省のQ&Aでは、小さなバラの花に似た淡い赤い発疹が、手のひら、足の裏、体などに出ることがあるとしています(手のひら・足の裏に赤い発疹)
- 丘疹性梅毒(ぶつぶつ)、手のひら・足の裏の梅毒性乾癬(かさかさした発疹)
- 扁平コンジローマ:陰部やおしりなどにできる、平らなイボのようなもの(陰部のブツブツ・イボ・しこり)
- そのほか、色素の変化、白く抜けた斑点、うみをもった発疹、爪のまわりの炎症など
粘膜の症状
- のどの炎症(梅毒性アンギーナ)や、口の中の白っぽい斑点(粘膜斑)など(口の中のただれ・白い斑点と性感染症)
髪がまばらに抜ける
- 梅毒性脱毛:髪がまばらに抜けることがあります
全身の症状
- 熱、だるさ、頭痛、関節の痛みなどが出ることもあります

メル美発疹、のど、髪の毛、熱……。こんなにいろいろな症状が出るんだね。ほかの病気とまちがえそう。
IASRの報告では、手のひら・足の裏の典型的な発疹やバラ疹は比較的特徴的で診断に役立つ一方、梅毒は多彩な症状を示すため、ほかの病気との区別に苦労することも多いとされています。

梅毒の第2期の症状は、ほかの病気に見えることがあります。心当たりがあって、原因のわからない発疹や脱毛、のどの痛みが続くときは、受診のときにそのことを伝えて、血液検査を受けてください。
症状が消えても、治っていない
- 厚生労働省のQ&Aによると、第2期の発疹などは、数週間以内に自然に消えますが、梅毒が治ったわけではありません。いったん消えた症状がまたあらわれることもあります
- IASRの報告によると、第2期は、感染から1年ほど、症状のない時期と症状の出る時期をくり返すことがあります
- 治療しないまま何年もたつと、皮膚や骨、筋肉、血管、神経などに重い症状が出ることがあります(第3期)(梅毒が目・耳・神経に及ぶと)
検査と治療
- 梅毒は、血液検査でわかります(梅毒の血液検査の見方)
- 治療すれば治ります。パートナーも一緒に検査・治療を受けましょう
- 治療薬の供給の状況は、梅毒の注射薬が出荷停止中(2026年)を見てください
まとめ
- 梅毒の第2期は、感染して3か月ほどで、菌が全身に広がって起こる
- バラ疹、手のひら・足の裏の発疹、扁平コンジローマ、のどの炎症、まばらな脱毛、熱やだるさなど、症状はとても多彩
- ほかの病気とまちがわれやすい
- 症状は自然に消えても治っていない
- 心当たりがあれば、血液検査を
参考文献
- 尾上智彦. 梅毒の病態や症状について(皮膚病変). IASR 44: 191, 2023(2023年12月25日公開). https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/iasr/pathogens/vol44/526/526r02.html (閲覧日:2026年10月10日)
- 厚生労働省. 梅毒に関するQ&A(2022年11月22日更新). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/syphilis_qa.html (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
