パートナーが「HPV陽性」と言われたら:男性がHPVの検査を受ける必要はない(米国CDC)。HPVはパートナーどうしで共有していることが多く、どちらからうつったかはわからない。何年もたってから陽性になることも
パートナーが子宮頸がん検診で「HPV陽性」と言われた。自分も検査したほうがいい?浮気を疑われる?——米国CDCのガイドライン(2021年)によると、HPVの検査は子宮頸がん検診の中で使うもので、性的パートナーがHPVの検査を受ける必要はないとされています。HPVはパートナーどうしで共有していることが多く、どちらからうつったかはわからないことが多く、何年も前の感染があとから陽性になることもあります。性器のイボ(尖圭コンジローマ)の診断にも、HPV検査はすすめられていません。

プレ男彼女が子宮頸がん検診で「HPV陽性」って言われたんだって。おれも検査したほうがいいのかな。どっちがうつしたんだろう……。

メル美HPVってすごくよくあるウイルスなんだよね。男性の検査ってあるのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、パートナーが「HPV陽性」と言われたとき、男性はどうすればいいかの話です。米国CDCの性感染症治療ガイドライン(2021年)をもとにまとめました。女性の検診結果の見方は、子宮頸がん検診で「HPV陽性」と言われたらの記事を見てください。
HPVの検査は、子宮頸がん検診のためのもの
- CDCによると、HPVの検査は、がんの原因になる種類のHPVを調べるもので、子宮頸がん検診や、その後の経過を見るために使われます(子宮頸がん検診)
- CDCは、性的パートナーへのメッセージとして、パートナーはHPVの検査を受ける必要はないとしています
- 性器のイボ(尖圭コンジローマ)の診断にも、HPVの検査はすすめられていません。性器のイボがある人のパートナーのHPV検査もすすめられていません(尖圭コンジローマ)

プレ男パートナーの男性は、HPVの検査を受けなくていいんだ。
どちらからうつったかは、わからない
CDCは、医療者が次のことを伝えるべきだとしています。
- HPVはよくある感染で、体が自分で治す(おさえる)ことが多い
- HPV陽性でも、がんになっているという意味ではない
- HPVは、パートナーどうしで共有していることが多い
- どこからうつったかは、わからないことが多い
- 何年も前の感染が、男女どちらでも、再び活動してあとから検査で陽性になることがある
つまり、「HPV陽性」は、浮気の証拠ではありません(パートナーは一人なのに性感染症?)。

HPVはパートナーどうしで共有していることが多く、どちらからうつったかはわかりません。責め合うより、彼女の検診のフォローを一緒に支えることが大切です。
パートナーの男性にできること
CDCは、パートナーに次のようなことを伝えられるとしています。
- パートナーもHPVに感染している可能性が高い(ただし検査は不要)
- コンドームを正しく毎回使うと、HPVの感染のリスクを下げ、感染が消えるまでの時間を短くするかもしれません。ただし、HPVはコンドームで覆われない場所にも感染するので、完全には防げません(コンドーム)
- 前のパートナーがHPV陽性だった男性と付き合う女性は、ふつうの人と同じ間隔で子宮頸がん検診を受ければよく、検診を増やす利点を示すデータはないとされています
そして、パートナーとして大切なのは、
- 彼女の検診や精密検査のフォローを支える(予約や付きそいなど)
- HPVワクチンについて知っておく。男性も接種できます(HPVワクチン)
- 男性でも、HPVは性器のイボや、肛門・陰茎・のどのがんなどと関係することがあります。気になる症状があれば受診を(尖圭コンジローマ、肛門がんとHPV、陰茎がん、HPVとのどのがん)
HPVが原因のがんの世界の数字(男性もふくむ)は、HPVが原因のがんは、世界で年69万件(WHO)にまとめています。
まとめ
- HPVの検査は子宮頸がん検診のためのもの。パートナーの男性は検査を受ける必要はない(CDC)
- HPVはパートナーどうしで共有していることが多く、どちらからうつったかはわからない
- 何年も前の感染があとから陽性になることも。浮気の証拠ではない
- コンドームでリスクは下がるが完全には防げない。HPVワクチンも
- 責め合うより、検診のフォローを一緒に支える
参考文献
- Workowski KA, et al. Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021. MMWR Recomm Rep 2021;70(No. RR-4)(Human Papillomavirus Infections、Anogenital Warts、Cervical Cancer: Key Messages, Management of Sex Partners). https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/70/rr/rr7004a1.htm (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
