ダイエット外来2026年10月4日

肥満症の注射薬が保険で使える条件:高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のどれかがあり、BMI35以上、またはBMI27以上で健康障害が2つ以上。6か月以上の食事・運動療法のあとに、決められた施設で、最大68〜72週

厚生労働省の「最適使用推進ガイドライン」(セマグルチド:令和5年11月、令和8年6月改訂/チルゼパチド:令和7年3月、令和8年5月改訂)によると、肥満症の注射薬の対象は、高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかがあり、BMI35以上、またはBMI27以上で肥満に関連する健康障害が2つ以上ある人。施設の食事・運動療法を6か月以上(2か月に1回以上の栄養指導つき)行っても効果が不十分な場合に限られ、専門医のいる施設で、投与は最大68週(チルゼパチドは72週)です。美容・痩身目的での使用はしないこととされています。

目次
  1. 「肥満」と「肥満症」はちがう
  2. 保険で使える人(投与の対象)
  3. どこで受けられる?(施設の条件)
  4. 治療の期間と、やめるタイミング
  5. 使えない人・注意が必要な人(一部)
  6. 自由診療の「やせる注射」とのちがい
  7. まとめ

プレ男会社の先輩、体重100kg超えで血圧も高いんだ。「やせる注射が保険で打てるらしい」って言ってたけど、だれでも打てるの?

メル美ダイエット目的の注射とはちがうよね。保険で使える条件があるんじゃないかな。

こんにちは、Dr. Taro です。 「メンズメディカル」のダイエット外来から、今回は肥満症の注射薬が保険で使える条件の話です。厚生労働省の「最適使用推進ガイドライン」の、セマグルチド(肥満症)(令和5年11月、令和8年6月改訂)とチルゼパチド(肥満症)(令和7年3月、令和8年5月改訂)をもとにまとめました。

「肥満」と「肥満症」はちがう

保険で使える人(投与の対象)

ガイドラインでは、次のすべてを満たす肥満症の人が対象です。保険で使うときも、このガイドラインに従うよう、厚生労働省が留意事項を通知しています。

  1. 高血圧、脂質異常症、2型糖尿病のどれか1つ以上と診断されていて、さらに次のどちらか
    • BMIが35以上
    • BMIが27以上で、肥満に関連する健康障害が2つ以上ある
  2. 薬を出す施設で、食事療法・運動療法の治療計画に沿った治療を6か月以上行っても十分な効果がない。その間、2か月に1回以上、管理栄養士の栄養指導を受けている
  3. 高血圧・脂質異常症・2型糖尿病に対して、薬を含む適切な治療がすでに行われている

肥満に関連する健康障害としてあげられているもの(セマグルチドのガイドライン):

プレ男まず6か月、病院で食事と運動の治療をがんばるのが先なんだ。

どこで受けられる?(施設の条件)

ガイドラインでは、次のような条件をすべて満たす施設で使うべきとされています(主なもの)。

治療の期間と、やめるタイミング

肥満症の注射薬は、決められた条件と施設で、食事療法・運動療法と組み合わせて使う薬です。美容やダイエットの目的では使わないこととされています。

使えない人・注意が必要な人(一部)

自由診療の「やせる注射」とのちがい

メル美先輩には、まずかかりつけの内科で相談してみてって伝えたら?

まとめ


参考文献

  1. 厚生労働省. 最適使用推進ガイドライン セマグルチド(遺伝子組換え)〜肥満症〜(令和5年11月、令和8年6月改訂). https://www.pmda.go.jp/files/000281140.pdf (閲覧日:2026年10月4日)
  2. 厚生労働省. 最適使用推進ガイドライン チルゼパチド〜肥満症〜(令和7年3月、令和8年5月改訂). https://www.pmda.go.jp/files/000280607.pdf (閲覧日:2026年10月4日)
  3. 厚生労働省保険局医療課長. 肥満症の効能又は効果を有するセマグルチド(遺伝子組換え)製剤に係る最適使用推進ガイドラインの策定に伴う留意事項について(令和5年11月21日 保医発1121第2号). https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc8062&dataType=1&pageNo=1 (閲覧日:2026年10月4日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。