
プレ男会社の健診、先輩は採血も心電図もあるのに、オレは身長体重と血圧と尿くらいだった。手抜きされてる?

メル美わたしは去年35歳になった先輩が「今年は採血があった」って言ってた。年齢で変わるのかな?
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、会社の健康診断(定期健康診断)で何を調べるのかの話です。労働安全衛生規則(第43条・第44条)の条文と、厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署のリーフレット「労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう」をもとにまとめました。
会社の健診は、会社にも働く人にも義務
- 会社(事業者)は、労働安全衛生法第66条にもとづき、働く人に医師による健康診断を行わなければなりません。そして働く人も、会社が行う健康診断を受けなければなりません
- 常に使用する働く人には、1年以内ごとに1回、定期健康診断を行います(労働安全衛生規則第44条)
- 入社するとき(雇入れ時)にも健康診断があります(第43条)。入社前3か月以内に受けた健康診断の結果を証明する書面を出せば、その項目は省略できます
定期健康診断の11項目
| 項目 | 中身 | |
|---|---|---|
| 1 | 既往歴・業務歴の調査 | これまでの病気や仕事の内容 |
| 2 | 自覚症状・他覚症状の有無の検査 | 問診・診察 |
| 3 | 身長・体重・腹囲・視力・聴力 | 聴力は1,000Hzと4,000Hzの音 |
| 4 | 胸部X線検査・喀痰(かくたん)検査 | |
| 5 | 血圧の測定 | |
| 6 | 貧血検査 | 血色素量(ヘモグロビン)と赤血球数 |
| 7 | 肝機能検査 | GOT(AST)・GPT(ALT)・γ-GTP |
| 8 | 血中脂質検査 | LDLコレステロール・HDLコレステロール・中性脂肪(血清トリグリセライド) |
| 9 | 血糖検査 | |
| 10 | 尿検査 | 尿の糖とたんぱく |
| 11 | 心電図検査 |
(労働安全衛生規則第44条より)
20〜30代で省略できることがある項目
一部の項目は、厚生労働大臣が定める基準にもとづき、医師が必要でないと認めるときは省略できます。
| 項目 | 医師が必要でないと認めれば省略できる人 |
|---|---|
| 貧血・肝機能・血中脂質・血糖・心電図 | 35歳未満と36〜39歳 |
| 腹囲 | 40歳未満(35歳を除く)、妊娠中の女性など腹囲が内臓脂肪の蓄積を反映しないと診断された人、BMIが20未満の人、BMIが22未満で自分で腹囲を測って申告した人 |
| 身長 | 20歳以上 |
| 胸部X線 | 40歳未満のうち、20歳・25歳・30歳・35歳以外の人(結核の定期健診の対象施設で働く人、じん肺健診の対象の人などを除く) |
| 喀痰検査 | 胸部X線を省略された人、胸部X線で病変がない人・結核のおそれがないと診断された人 |
| 聴力 | 45歳未満(35歳・40歳を除く)は、1,000Hz・4,000Hz以外の、医師が適当と認める方法の聴力検査に代えられる |
(厚生労働省ほか「労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう」、労働安全衛生規則第44条より)

プレ男だから34歳のオレは採血がなくて、35歳の先輩にはあったのか!
省略は「年齢で自動的に」ではない
- リーフレットは、「医師が必要でないと認める」とは、自覚症状・他覚症状や、これまでの病気などをふまえて医師が総合的に判断することであり、年齢などで機械的に決まるものではないと注意しています
- つまり、表は「省略してよい人」の基準で、35歳未満でも医師が必要と判断すれば検査します
- 反対に、35歳と40歳以上の人は、貧血・肝機能・血中脂質・血糖・心電図はこの基準では省略できません

20〜30代の健診では、血液検査や心電図が省略されることがあります。気になる症状がある人や、前に異常を言われた人は、健診のときに医師に伝えてください。
健診のあと、会社がすること
リーフレットによると、会社は健診のあと次のことを行います。
- 結果を記録し、保存する(健康診断個人票)
- 異常の所見がある人について、医師の意見を聞く
- 医師の意見をふまえ、必要があれば作業の転換や労働時間の短縮などの措置をとる
- 結果を本人に通知する
- 健康の保持にとくに努める必要がある人に、医師や保健師による保健指導を行うよう努める
- 常時50人以上を使用する会社は、定期健診の結果を労働基準監督署に報告する

メル美結果が届いたら、「要再検査」のところだけでもちゃんと見ようっと。
- 40歳からは、健康保険の「特定健診(メタボ健診)」の対象にもなります。厚生労働省の「標準的な健診・保健指導プログラム」では、労働安全衛生法などの健診で特定健診にあたる項目を受けていれば、特定健診を受けたものとされます。結果によっては特定保健指導の対象になります。くわしくは特定健診(メタボ健診)を受けた人は59.9%の記事へ
- 健診の結果の見方は、肝機能(γ-GT・ALT)、コレステロール・中性脂肪、血圧、心電図、貧血の記事もどうぞ。健診の前日・当日の注意は健診の前日はお酒と激しい運動をひかえるへ
まとめ
- 会社の定期健診は年1回。会社には行う義務、働く人には受ける義務がある
- 項目は法律で11項目(問診、身長・体重・腹囲・視力・聴力、胸部X線、血圧、貧血、肝機能、脂質、血糖、尿、心電図)
- 貧血・肝機能・脂質・血糖・心電図は、35歳未満と36〜39歳なら医師の判断で省略できる。35歳と40歳以上はこの基準の対象外
- 省略は年齢で機械的に決まるものではない。気になることは医師に伝える
参考文献
- 労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第43条・第44条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/347M50002000032 (閲覧日:2026年10月22日)
- 厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署. 労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう〜労働者の健康確保のために〜(2013年3月). https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000103900.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
- 厚生労働省. 標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版). https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001231390.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。