
プレ男飲み会のあと、友だちが酔って店の看板をけって、店員さんと口論になってた…。「酔ってたから」で許されるのかな。

メル美お酒を飲んでいても、手を出したり物をこわしたりすれば、犯罪になりうるよ。
今回は、酔って暴れたときの法律です。刑法と「酒に酔つて公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律」の条文(e-Gov法令検索)と、日本民営鉄道協会などの集計で確認しました。
酔って「やってしまいがち」なことと、刑法の罪
| やったこと | 罪 | 罰則 | 条文 |
|---|---|---|---|
| 人をなぐる・つきとばす(ケガはない) | 暴行罪 | 2年以下の拘禁刑、30万円以下の罰金、または拘留・科料 | 刑法208条 |
| 人にケガをさせる | 傷害罪 | 15年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 | 刑法204条 |
| 看板・ドア・自転車など、人の物をこわす | 器物損壊罪 | 3年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金・科料 | 刑法261条 |
| 店で大声で暴れて、営業をじゃまする | 威力業務妨害罪 | 3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 | 刑法234条(233条の例による) |
| 仕事中の警察官に暴力をふるう・おどす | 公務執行妨害罪 | 3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 | 刑法95条 |
- 拘留は1日以上30日未満、科料は1,000円以上1万円未満です(刑法16条・17条)
- このほか、こわした物の弁償や、ケガの治療費などを損害賠償として請求されることがあります

プレ男ケガをさせたら15年以下…!「ちょっと押しただけ」のつもりでも、相手が転んでケガをしたら大変だ。
「酔っぱらい防止法」もある
正式名は「酒に酔つて公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律」(昭和36年法律第103号)です。
- 目的:酒に酔っている人(アルコールの影響で正常な行為ができないおそれのある人)の行為を規制し、救護が必要な人を保護して、過度の飲酒が個人と社会にあたえる害を防ぐこと(第1条)
- 罰則:酔った人が、道路・公園・駅・飲食店などの公共の場所や、電車・バスなどの公共の乗りもので、公衆に迷惑をかけるような、いちじるしく粗野・乱暴な言動をしたときは、拘留または科料(第4条)
- 保護:警察官は、公共の場所で粗野・乱暴な言動をしている酔った人に、本人のため応急の救護が必要と認められるときは、警察署などで保護しなければならない。家族などに連絡し、引き取りがない場合も、保護は24時間をこえない範囲で酔いをさますのに必要な限度とされています(第3条)
「酔っていて覚えていない」は通る?
- 刑法39条は、「心神喪失者の行為は、罰しない」「心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する」と定めています
- 「酔っていたから罪にならない」とは考えないでください
駅員への暴力は、半数で飲酒
日本民営鉄道協会・JR各社などの集計によると:
- 2024年度(2024年4月〜2025年3月)の、駅員や乗務員など鉄道係員への暴力行為は、38社局で522件(前年度は37社局で517件)
- 加害者の50%(522件中261件)に飲酒が認められた。ただし、飲酒をともなわない例も多い
- 金・土・日に多く、時間帯では深夜に多い。加害者の年齢に偏りはなく、幅広い年代

メル美週末の深夜、飲んだ帰りの駅…いちばん気をつけたいタイミングだね。
トラブルにしないために
- 飲む量を決めておく。水を一緒に飲む、終電の前に切り上げる
- 友だちがからみはじめたら、その場からはなれる、店の人や駅員さんに相手をまかせてこちらは引く
- 暴力をふるわれた、ケガをさせられたときは、110番へ
- 酔ったあとの運転は、車も自転車も犯罪です。くわしくは飲酒運転の罰則で

鉄道会社などの集計では、2024年度の鉄道係員への暴力行為522件のうち、50%で加害者に飲酒が認められました。
まとめ
- 酔っていても、なぐれば暴行罪(2年以下の拘禁刑など)、ケガをさせれば傷害罪(15年以下の拘禁刑など)
- 物をこわせば器物損壊罪、店で暴れれば威力業務妨害罪、警察官に暴力をふるえば公務執行妨害罪
- 酔っぱらい防止法では、公共の場所でいちじるしく粗野・乱暴な言動をすると拘留または科料。警察官による保護もある
- 「酔っていたから」で罪にならないとは考えない
- 2024年度の鉄道係員への暴力は522件、半数で飲酒
- 立ち小便やつば吐きなどは軽犯罪法、夜の街のトラブルはぼったくり防止条例、SNSでのトラブルはSNSの悪口と侮辱罪もどうぞ
- 酔いつぶれた友だちを置き去りにしないで:遺棄罪と急性アルコール中毒。酔って警察官に手を出したら公務執行妨害罪、ケンカや物をこわしたときは暴行罪と傷害罪、器物損壊罪の記事で
参考文献
- 刑法(明治40年法律第45号)第16条・第17条・第39条・第95条・第204条・第208条・第233条・第234条・第261条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/140AC0000000045 (閲覧日:2026年10月4日)
- 酒に酔つて公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律(昭和36年法律第103号)第1条・第3条・第4条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0100000103 (閲覧日:2026年10月4日)
- 日本民営鉄道協会ほか. 鉄道係員に対する暴力行為の件数・発生状況について ―2024年度は計522件の暴力行為が発生(全国38社局)―(2025年7月8日). https://www.mintetsu.or.jp/association/news/2025/23439.html (閲覧日:2026年10月4日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。