
メル美友だちが、赤ちゃんのころに心臓の手術を受けたんだって。今は元気だけど、妊娠しても大丈夫かなって。

プレ男何年も病院に行ってないなら、一度診てもらったほうがいいのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、生まれつきの心臓病(先天性心疾患)がある人の妊娠の話です。英国NHSの資料をもとにまとめました。
妊娠は、心臓に大きな負担
NHSによると、
- 赤ちゃんの約1,000人に8人が、生まれつき心臓に何らかの異常をもって生まれます(英国)
- 子どものころに手術を受けて治っていても、心臓に傷あとが残り、感染症や不整脈が起こりやすいことがあります
- 心臓病があっても妊娠・出産できる可能性がありますが、妊娠は心臓に大きな負担をかけます
- 心臓病の種類によっては、妊娠中に肺に水がたまる、心不全、不整脈などが起こることがあります。影響は一人ひとりちがうので、専門医にしっかり診てもらうことが、リスクを知る唯一の方法です
妊娠を考えたら、循環器の専門医へ
- 妊娠を考えはじめたら、妊娠する前に循環器の専門医に相談しましょう。妊娠がわかったときは、すぐに相談を
- 子どものころに治療を受けて、何年も専門医を受診していない人も、妊娠を考えたら改めて診てもらうことが大切です
- 専門医と、飲んでいる薬を妊娠中に変える必要があるか、心臓病が妊娠にどう影響するか、妊娠が心臓にどう影響するかを相談します
- 薬の中には、妊娠中にすすめられないものがあります(NHSは心不全の治療に使うACE阻害薬をあげています)。専門医と話す前に、自己判断で薬をやめないでください

メル美手術で治っていても、妊娠を考えたら改めて専門医に診てもらうんだね。

生まれつきの心臓病があっても、妊娠・出産できる可能性があります。ただ、妊娠は心臓に大きな負担。妊娠を考えたら、まず循環器の専門医に相談を。
妊娠中のケア
- NHSによると、循環器内科医、産科医、助産師のチームで診る病院を紹介されます
- 治療は心臓病の種類によってちがい、専門医が一人ひとりに合わせた計画を立てます
- 水泳や散歩などの軽い運動は、ふつうはよいとされますが、新しく運動を始める前には医師や助産師に相談しましょう(妊娠中の運動)
赤ちゃんへの影響
NHSによると、
- 心臓がうまく血液を送れないと、胎盤や赤ちゃんに届く酸素や栄養が少なくなり、赤ちゃんが小さめになることがあります。早産になることもあります。妊娠中は超音波検査で育ち具合を確かめます(早産)
- 心臓病の種類によっては、赤ちゃんに遺伝する可能性があります(たとえばマルファン症候群では2人に1人)。その場合は専門医の説明を受けられます
- 赤ちゃんの心臓の病気は、多くは妊娠中に見つけられます(すべてではありません)
お産のとき
NHSによると、
- どこで産むかを、先天性心疾患にくわしい循環器内科医を含むチームと相談し、一人ひとりのお産の計画を立てます
- 心臓病の種類や重さによっては、薬の心臓への影響のため陣痛誘発がすすめられないことがあります。早く産んだほうが安全な場合をのぞき、自然に陣痛が来るのを待つのがふつうはよいとされています(陣痛誘発)
- 心臓病があるからといって、自動的に帝王切開になるわけではありません(帝王切開)
- いきむ負担を減らすため、硬膜外麻酔を使い、吸引分娩や鉗子分娩で手助けすることがすすめられる場合があります(お産の痛みをやわらげる方法)
まとめ
- 生まれつきの心臓病があっても、妊娠・出産できる可能性がある。ただし、妊娠は心臓に大きな負担
- 妊娠を考えたら、妊娠前に循環器の専門医へ。何年も受診していない人も
- 薬の中には妊娠中にすすめられないものがある。自己判断でやめない
- 妊娠中はチームで診る。赤ちゃんの育ちも確かめる
- お産は一人ひとりに合わせて計画。自動的に帝王切開になるわけではない
参考文献
- NHS. Congenital heart disease and pregnancy. https://www.nhs.uk/pregnancy/existing-health-conditions/congenital-heart-disease/ (閲覧日:2026年10月6日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。