国の性感染症対策が改正(2025年11月):性感染症は「性的接触のあるすべての人」の健康問題に。梅毒・先天梅毒の増加、性風俗やMSMなどへの配慮、妊娠を望む女性のパートナーも予防を——国の「特定感染症予防指針」の主な改正点
国は「性感染症に関する特定感染症予防指針」で、性感染症対策の方向を決めています。厚生労働省の通知(2025年11月10日)によると、この指針が改正され、性感染症は「生殖年齢にある男女を中心とした」問題から「性的接触のある全ての人々における」健康問題と改められました。梅毒について、性風俗に関わる人の報告が多い一方で個人間の接触などでも広がる可能性があること、先天梅毒の増加、妊娠を希望する女性だけでなくパートナーも性感染症の予防に気をつけることなどが加えられました。

メル美梅毒がこんなに増えてるけど、国はどんな対策をしてるんだろう。

プレ男「若い人の問題」って思われがちだけど、どうなんだろうね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、国の性感染症対策の方針の話です。厚生労働省は「性感染症に関する特定感染症予防指針」で、国・自治体・医療・教育・NGOなどが一緒に進める性感染症対策の方向を決めています。この指針が2025年11月10日に改正されました。厚生労働省の通知(感感発1110第4号)をもとに、主な改正点をまとめました。
予防指針とは
厚生労働省の通知によると、
- 原因の究明、予防と広がりの防止、医療の提供、研究開発、国際的な連携などの総合的な性感染症対策を進めるための指針です
- 国、地方公共団体、医療関係者、教育関係者、NGOなどがともに連携して性感染症対策を進めるための行動指針とされています
- 効果を保つため、少なくとも5年ごとに見直すことになっています
主な改正点
1. 「性的接触のあるすべての人」の問題に
- 性感染症について、「生殖年齢にある男女を中心とした大きな健康問題」を、「性的接触のある全ての人々における大きな健康の問題」と改めました

プレ男年齢や性別に関係なく、性的接触があれば、だれにとっても自分ごとってことだね。
年齢別の数字は、10代の性感染症や50代・60代以上の性感染症にまとめています。
2. 梅毒と先天梅毒
- 梅毒について、性風俗産業で働く女性と、利用したことがある男性の報告が多い一方で、個人間の接触など、さまざまな機会を通じて広がる可能性も指摘されていることから、実態を把握して、それぞれに配慮した対策を考えることが大切だとしました(梅毒の届出と性風俗のデータ)
- 先天梅毒も増えており、梅毒の知識を広めることを含む予防対策が必要だとしました(妊娠中の梅毒)
3. とくに配慮が必要な人たち
- 性感染症の対策で特別な配慮が必要な人として、生殖年齢の女性や妊婦、性風俗産業で働く人・利用する人、男性間で性的接触を行う人(MSM)などを挙げ、それぞれの実態を把握し、配慮した啓発、相談の機会、医療の提供を進めることが大切だとしました
4. 予防と啓発
- さまざまな人に合った、自分の健康の問題として意識して行動を変えていくための啓発を進める
- 医療機関や保健所などの人が、プレコンセプションケアの取り組みも含めて、学校での教育などに積極的に協力する(プレコンセプションケア)
- 女性への啓発では、パートナーや家族の協力・理解を進める
- 妊娠を希望する女性だけでなく、そのパートナーも性感染症の予防に十分気をつけるよう促す
- 保健所などの検査を外部に委託できるようにする
- 啓発や相談でNGOなどと連携する

国の方針でも、性感染症は「性的接触のあるすべての人」の問題とされました。妊娠を考えるときは、パートナーも一緒に検査を。だれかを責めるのではなく、みんなで予防することが大切です。
5. 実態の把握と医療
- 医療保険のデータベース(NDB)など、さまざまな情報源を使って実態を把握する
- 医師からの届出を電子的に出すことを進め、早く発生の状況をつかむ
- 国や都道府県などは、診断・治療・予防の最新の方法についての手引きをつくり、地域に広めるよう努める
- 一般の医療従事者の教育・研修と、医療従事者向けの相談体制を整える
わたしたちにできること
- 性的接触があるなら、年齢や性別に関係なく、性感染症を自分ごととして考える
- 心当たりがあれば、保健所などの検査を活用する(性感染症の検査はどこで受ける?)
- 妊娠を考えたら、パートナーと一緒に検査を
同じ2025年11月に改正されたエイズ予防指針については、国のエイズ対策が改正(2025年11月)にまとめています。
まとめ
- 国の「性感染症に関する特定感染症予防指針」が2025年11月10日に改正
- 性感染症は「性的接触のある全ての人々」の健康問題に
- 梅毒・先天梅毒の増加への対策、配慮が必要な人たちへの対策を明記
- 妊娠を希望する女性のパートナーも予防を
- 自分ごととして、検査と予防を
参考文献
- 厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部感染症対策課長. 性感染症に関する特定感染症予防指針の一部改正について(感感発1110第4号、令和7年11月10日、PDF、日本性感染症学会ウェブサイト掲載). https://jssti.jp/pdf/koufu_tokuteikansensyouyobousisin_ichibukaisei_251110.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- 性感染症に関する特定感染症予防指針(平成12年厚生省告示第15号、令和7年11月10日一部改正、全文、PDF、日本性感染症学会ウェブサイト掲載). https://jssti.jp/pdf/zenbun_tokuteikansensyouyobousisin_251110.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
