子宮頸管炎とは?おりものの変化・性交後の出血があるときに考えられる原因と、検査・治療
おりものが増えた、性交後に出血する——子宮頸管炎は、クラミジアや淋菌などの性感染症が主な原因です。症状が出にくいこと、放っておくと不妊の原因にもなること、検査と治療の流れをまとめました。

メル美おりものが増えたり、性行為のあとに出血したりするのは、なんでだろう?
こんにちは、Dr. Taro です。 「おりものが増えた気がする」「セックスのあとに出血した」——こんなときに考えられるのが子宮頸管炎です。男性の尿道炎と同じように、女性の性感染症でよくみられる状態です。 このページでは、病原体ごとではなく、症状から子宮頸管炎についてお話しします。
子宮頸管炎ってどんな状態?
子宮頸管は、子宮の入り口(腟の奥)にある、細い管のような部分です。ここに炎症がおきた状態を、子宮頸管炎といいます。
子宮頸管炎は、症状がないことが多いのが特徴です。症状がある場合は、次のようなものです。
- おりものがいつもと違う(量が増える、色が変わるなど)
- 月経(生理)以外のときの出血。とくにセックスのあとの出血
医師が診察すると、子宮頸管からうみのような分泌物が出ていたり、綿棒で軽くふれただけで出血しやすくなっていたりするのが分かります。
原因は?
- 原因として多いのは、クラミジアと淋菌です
- ほかに、トリコモナス、性器ヘルペス、マイコプラズマ・ジェニタリウムが原因になります。マイコプラズマ・ジェニタリウムは、子宮頸管炎の人の 10〜30% から見つかります
- 一方で、検査をしても原因の病原体が見つからないことも多くあります
- 腟の洗浄や化学的な刺激など、感染以外が原因のこともあります
なお、ウレアプラズマやマイコプラズマ・ホミニスについては、子宮頸管炎の原因になるという根拠はなく、米国CDCは検査をすすめていません。
放っておくとどうなる?
子宮頸管炎の原因になる病原体が、子宮頸管からさらに奥へ進むと、子宮や卵管、おなかの中に炎症がおきる骨盤内炎症性疾患になることがあります。
- 骨盤内炎症性疾患は、症状がはっきりしないことや、症状がないことも多いです。下腹部の痛み、不正出血、性交時の痛みなどが出ることもあります
- 気づかないまま、または治療が遅れると、卵管が原因の不妊や、子宮外妊娠につながることがあります
また、気づかないうちに、パートナーにうつしてしまうことにもなります。
子宮頸管炎は症状が出にくいので、気づかないまま進むことがあります。「いつもと違う」と感じたら、早めに受診してくださいね。
検査はどうやるの?
- クラミジアと淋菌を、遺伝子を調べる検査(核酸増幅検査)で調べます
- あわせて、トリコモナスや細菌性腟症がないかも調べます
- 必要に応じて、マイコプラズマ・ジェニタリウムの検査も考えます
このサイトでは、綿棒のような器具(スワブ)を腟に入れてぬぐい、その液(腟ぬぐい液)で検査をしています。
治療は?
治療は、原因に合わせて行います。くわしくは、それぞれの記事をご覧ください。
クラミジア・淋菌・マイコプラズマ・ジェニタリウムは、症状がないことが多い病原体です。一方で、おりものの変化などの症状は、細菌性腟症やカンジダ(腟カンジダ症)、膀胱炎などでもおこり、これらはその場で診断がつくことが多い病気です。 そのため、このサイトでは、その場で診断がついた病気の治療を優先し、クラミジア・淋菌・マイコプラズマ・ジェニタリウムは、検査の結果を見て治療することが多いと考えています。
治療のあとも子宮頸管炎が続くときは、マイコプラズマ・ジェニタリウムの検査を考えたり、感染以外の原因がないか婦人科で調べてもらうことがすすめられています(米国CDC)。
治療中・治療後に気をつけること
- 処方された薬は、最後まで飲み切りましょう
- 自分もパートナーも治療が終わるまでは、セックスはお休みしましょう
- パートナーも検査・治療を受けましょう。クラミジア・淋菌・トリコモナスが見つかった場合、米国CDCは、60日以内のセックスの相手に検査・治療をすすめています
- 米国CDCは、治療から 3か月後に、また感染(再感染)していないか、もう一度検査を受けることをすすめています
子宮頸がんとは別の病気です
子宮頸管炎と子宮頸がんは、名前が似ていますが、別の病気です。 ただ、性交時の出血や月経以外の出血、おりものの変化は、子宮頸がんが進んだときの症状でもあります。子宮頸がんは、がんになる前の段階では症状がないため、20歳以上の人は2年に1回、子宮頸がん検診を受けましょう。
パートナーに伝えるのが気まずい…
わかります。でも、子宮頸管炎の原因になる病原体は、症状がないまま感染していることが多いので、「いつ、誰から」は分からないことがほとんどです。

プレ男性病になるより、修羅場になる方がヤバい!

メル美責め合うより、2人で一緒に検査・治療するのがいちばんの近道です。
クラミジアも淋菌も陰性なのに症状が続くときは、クラミジアも淋菌も陰性なのに、おりものの異常や性交後の出血が続くを見てください。
まとめ
- 子宮頸管炎は、子宮の入り口の炎症。症状がないことが多い
- 症状は、おりものの変化や、性交後などの出血
- 原因はクラミジア・淋菌が多く、ほかにトリコモナス、ヘルペス、マイコプラズマ・ジェニタリウムなど
- 放っておくと骨盤内炎症性疾患になり、不妊や子宮外妊娠の原因にも
- パートナーも検査・治療を。子宮頸がん検診も忘れずに
参考文献
- Centers for Disease Control and Prevention. Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021: Urethritis and Cervicitis. https://www.cdc.gov/std/treatment-guidelines/urethritis-and-cervicitis.htm (閲覧日:2026年9月25日)
- Centers for Disease Control and Prevention. Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021: Pelvic Inflammatory Disease (PID). https://www.cdc.gov/std/treatment-guidelines/pid.htm (閲覧日:2026年9月25日)
- Centers for Disease Control and Prevention. Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021: Mycoplasma genitalium. https://www.cdc.gov/std/treatment-guidelines/mycoplasmagenitalium.htm (閲覧日:2026年9月25日)
- 国立がん研究センター がん情報サービス. 子宮頸がんについて. https://ganjoho.jp/public/cancer/cervix_uteri/about.html (閲覧日:2026年9月25日)
- 国立がん研究センター がん情報サービス. 子宮頸がん 予防・検診. https://ganjoho.jp/public/cancer/cervix_uteri/prevention_screening.html (閲覧日:2026年9月25日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
