
メル美友だちが妊娠したんだけど、もともと体重が多めで、健診で何か言われないか不安みたい。

プレ男今からダイエットしたほうがいいのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、肥満と妊娠の話です。英国NHSの資料をもとにまとめました。体重のことを言われるのはつらいものですが、責められることではありません。お母さんと赤ちゃんを守るために、知っておきたいことをまとめます。
「肥満」の基準
- NHSは、BMIが30以上をふつう「肥満」としています
- 日本の肥満の基準はBMI25以上で、世界(WHO)の基準とちがいます(BMIと肥満の基準)
(更新)厚生労働省の「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針 解説要領」(2021年3月)にある、日本産科婦人科学会が示す妊娠中の体重増加指導の目安(赤ちゃんが1人の場合)は、妊娠前のBMIが18.5未満で12〜15kg、18.5以上25.0未満で10〜13kg、25.0以上30.0未満(肥満1度)で7〜10kg、30.0以上(肥満2度以上)は個別対応(上限5kgまでが目安)です。「増加量を厳格に指導する根拠は必ずしも十分ではない」として、個人差を考えたゆるやかな指導をすすめています。英国の記事にある妊娠中のリスクへの対応(検査など)が日本で同じかどうかは確認していません。
妊娠中に体重を減らそうとしない
NHSによると、
- 肥満のある人が妊娠したら、妊娠中に体重を減らそうとしないでください。合併症の可能性を下げることにはならず、安全でないこともあります(妊娠中の体重の増え方)
- お母さんと赤ちゃんの健康を守るいちばんの方法は、健診をすべて受けることです。助産師や医師が、問題を防いだり早く対応したりできます

メル美妊娠中のダイエットは、かえってよくないんだね。
食事と運動
- バランスのよい健康的な食事と、毎日体を動かすことが大切です。英国では、栄養士などの助言を受けられます
- 妊娠中に体を動かしても、赤ちゃんに害はありません。歩く、泳ぐなどがよいでしょう(妊娠中の運動)
- 妊娠前に運動していなかった人は、新しく始める前に医師や助産師に相談を
- 妊娠中に避けたい食べ物も知っておきましょう(妊娠中に気をつけたい食べもの)
起こりやすくなること
NHSによると、体重が多いと、お母さんと赤ちゃんの合併症の可能性が上がり、BMIが高いほど可能性も高くなります。
お母さん
- 流産(流産)
- 妊娠糖尿病(英国では検査がすすめられます)(妊娠糖尿病)
- 高血圧、妊娠高血圧腎症(妊娠高血圧症候群)
- 血栓
- お産のときに赤ちゃんの肩が引っかかる(肩甲難産)
- 産後の出血が多くなる
- 吸引分娩・鉗子分娩や緊急の帝王切開になりやすい(吸引分娩・鉗子分娩、帝王切開)
- 硬膜外麻酔がむずかしいことがあり、英国では麻酔科医とお産の痛みのやわらげ方を相談することがあります
赤ちゃん
- 早産(37週より前)、死産の可能性が上がる(早産)
- 二分脊椎などの神経管閉鎖障害の可能性が上がる
それでも、NHSは、多くの妊娠は健康な赤ちゃんにつながるとしています。

体重が多いと合併症のリスクは上がりますが、多くは健康な赤ちゃんが生まれます。妊娠中のダイエットはせず、健診を欠かさず、食事と運動を大切に。
お産の場所
- 何かあったときにすぐ医療を受けられる病院でのお産がすすめられることがあります。お産の方法や場所は、助産師や医師と相談しましょう
パートナー・家族にできること
- 体重のことでからかったり、責めたりしない
- 一緒に健康的な食事をとり、一緒に歩く
まとめ
- BMIが高いと、流産、妊娠糖尿病、妊娠高血圧腎症、血栓、肩甲難産、産後の多い出血、早産・死産などの可能性が上がる
- それでも、多くは健康な赤ちゃんが生まれる
- 妊娠中に体重を減らそうとしない。健診をすべて受ける
- バランスのよい食事と毎日の軽い運動
- お産の方法や場所は、医師や助産師と相談
参考文献
- NHS. Obesity and pregnancy. https://www.nhs.uk/pregnancy/keeping-well/overweight/ (閲覧日:2026年10月10日)
- 厚生労働省. 妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針 解説要領(令和3年3月、こども家庭庁掲載). https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/a29a9bee-4d29-482d-a63b-5f9cb8ea0aa2/aaaf2a82/20230401_policies_boshihoken_shokuji_02.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。