基礎知識2026年10月10日

「エイズ発症」とは?23のエイズ指標疾患:HIVに感染していて、決められた23の病気(ニューモシスチス肺炎、カンジダ症、結核、カポジ肉腫など)のどれかがあるとき、エイズと診断される。一覧と、くわしい記事へのリンク

HIVに感染していることと、エイズ(後天性免疫不全症候群)を発症していることはちがいます。厚生労働省の感染症法にもとづく届出基準では、HIV感染症の基準を満たし、決められた「指標疾患」23のうち1つ以上がはっきり認められる場合に、エイズと診断するとしています。指標疾患には、ニューモシスチス肺炎、食道などのカンジダ症、クリプトコッカス症、トキソプラズマ脳症、活動性結核、サイトメガロウイルス感染症、カポジ肉腫、悪性リンパ腫、浸潤性子宮頸がん、HIV脳症などがあります。この記事では一覧をまとめ、くわしい記事へのリンクをつけました。

目次
  1. HIV感染とエイズのちがい
  2. 23のエイズ指標疾患
  3. エイズを発症してからHIVがわかることも
  4. まとめ

プレ男「HIV」と「エイズ」って同じ意味だと思ってたんだけど、ちがうの?

メル美「エイズを発症した」って、どういう状態をいうんだろう。

こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、「エイズ発症」とはどういうことか、23のエイズ指標疾患の話です。厚生労働省の「感染症法に基づく医師の届出のお願い」の「後天性免疫不全症候群」の届出基準をもとにまとめました。

HIV感染とエイズのちがい

厚生労働省の届出基準によると、

HIVについてはHIV、CD4数についてはHIVの「CD4数」でわかることを見てください。

HIVに感染していることと、エイズを発症していることはちがいます。HIVに感染して、決められた23の病気のどれかがあるときに、エイズと診断されます。

23のエイズ指標疾患

厚生労働省の届出基準では、指標疾患は次の23です(一部、年齢や場所などの条件があります)。

A. 真菌(カビ)の病気

  1. カンジダ症(食道、気管、気管支、肺)(HIVと口・食道のカンジダ症)
  2. クリプトコッカス症(肺以外)(HIVと脳の病気)
  3. コクシジオイデス症(全身に広がったものなど)
  4. ヒストプラズマ症(全身に広がったものなど)
  5. ニューモシスチス肺炎(エイズを発症してからHIVがわかるとき)

B. 原虫の病気

  1. トキソプラズマ脳症(生後1か月以後)(HIVと脳の病気)
  2. クリプトスポリジウム症(1か月以上続く下痢をともなうもの)(クリプトスポリジウム症)
  3. イソスポラ症(1か月以上続く下痢をともなうもの)

C. 細菌の病気

  1. 化膿性細菌感染症(13歳未満で、2年以内に2つ以上くり返したもの)
  2. サルモネラ菌血症(くり返すもの。チフス菌をのぞく)
  3. 活動性結核(肺結核または肺外結核)(HIVと結核)
  4. 非結核性抗酸菌症(全身に広がったものなど)(HIVと非結核性抗酸菌症)

D. ウイルスの病気

  1. サイトメガロウイルス感染症(生後1か月以後で、肝臓・脾臓・リンパ節以外)(HIVとサイトメガロウイルス(目以外))
  2. 単純ヘルペスウイルス感染症(1か月以上続く皮膚・粘膜の潰瘍など)
  3. 進行性多巣性白質脳症(PML)(HIVと脳の病気)

E. 腫瘍

  1. カポジ肉腫(カポジ肉腫)
  2. 原発性脳リンパ腫(HIVと中枢神経系原発悪性リンパ腫)
  3. 非ホジキンリンパ腫(HIVと悪性リンパ腫)
  4. 浸潤性子宮頸がん(HIVとHPV)

F. その他

  1. 反復性肺炎(HIVと細菌の肺炎)
  2. リンパ性間質性肺炎/肺リンパ過形成(13歳未満)
  3. HIV脳症(認知症または亜急性脳炎)
  4. HIV消耗性症候群(全身の衰弱、またはスリム病)

肺結核と浸潤性子宮頸がんは、HIVによる免疫不全を示す所見がある場合に限るとされています。

プレ男カビ、原虫、細菌、ウイルス、腫瘍……いろいろな病気が指標疾患になっているんだね。

エイズを発症してからHIVがわかることも

日本では、エイズを発症してからHIVがわかる人もいます。くわしくは、エイズを発症してからHIVがわかるときを見てください。

まとめ


参考文献

  1. 厚生労働省. 感染症法に基づく医師の届出のお願い「9 後天性免疫不全症候群」. https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-07.html (閲覧日:2026年10月10日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。